実際にブラック企業に訴えた裁判の事例をご紹介します。

ブラック企業裁判の事例

ブラック企業に対して被害を受けた従業員が訴えるのはまず「労働基準監督署」です。しかしそこで交渉がうまくいかない場合、裁判へ提訴する、という法的処置を取る選択肢があります。
実際にブラック企業に訴えた裁判の事例をご紹介します。

 

時間外労働の残業代を求めた裁判

解説する弁護士

勤務していた人が勤務先に残業代を請求した裁判の事例です。
就業規定は1日あたり7時間30分と定められていたにもかかわらず、実際は8時間働いていたので、1日30分あたりの残業代を請求しました。
しかし、勤務先の言い分は「労働時間が8時間なのは全ての社員の共通認識だった。7時間30分と言う就業時間は誤記である」ということで、裁判で争う事になりました。

 

裁判所の判決は、「労働時間が8時間であるという事が全従業員の共通認識であったとしても、就業規則が7時間30分と記載されている以上、そちらの方が優先事項である」とし、「誤記であるという点は会社側に責任がある」という判決を出し、会社側が敗訴しました。

 

ちなみにこの会社は途中で就業規定の労働時間を8時間に変更していましたが、従業員に周知を行っていなかったとして、その効力を認められることはありませんでした。

 

過労死による損害賠償をめぐる裁判

大手居酒屋チェーンで働いていた20代の女性が就寝中に心不全を起こし、過労死したとして、その遺族が勤務先を相手取り裁判を起こした事例です。
その企業では基本給が123,200円で、70,000円は役割給であり、役割給とは80時間の残業代を指していました。

 

しかし、月80時間の残業時間とは、そもそも厚生労働省が認定する過労死基準でした。それなのに役割給は残業時間が月80時間に満たなければ給料から控除されるという仕組みでした。
ちなみに基本給の金額は最低賃金と同額でした。

 

企業は「月100時間ほどの残業時間は一般的である」として反論しましたが、裁判所は「企業側が長時間労働を放置したのは悪意または重大な過失である」とし、会社側が敗訴しました。